UMAJO！今をときめく競馬場のヒロインたち

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UMAJO！今をときめく競馬場のヒロインたち

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以前の競馬場のイメージ

競馬場は近寄ってはいけない、その人たちと決して関わってはいけない・・・
そんなイメージが競馬にはあった。

ギャンブル、汚い、人混み…

床にはタバコの吸い殻、唾やゴミは当たり前。
トイレは動物が使った後のような汚れ様。

ゴミ箱の中を漁り、新聞や外れ馬券を探す人々。
年齢層は高く、9割は男性で何とも言えない

「負のオーラ」

女性来場者はいても、ヒョウ柄のコートにパンチパーマ。(笑)
原色の服を見事に着こなす貫禄と、その立ち振る舞いと度胸。

ダミ声や怒号が響き渡る場内。

「しっかり残せや、コラ～！」
「○○のボケ！いんでまえ～！」

今だから分かる。
彼ら彼女らは応援しているのである。

表現方法が人より少しだけ熱心だから。
行動が少しだけ個性的だから。

衝撃的な光景である。

とにかく競馬はイメージが悪すぎた。

ギャンブル
不潔
破産
廃人

初めて競馬場に行こうとすると、かなりハードルが高い。
女性にとっては尚更である。

彼氏に仕方なく付いて来て、つまらない表情をしている女性。
彼はひたすら馬券を買い続け、彼女との会話もない。

そして一向に当たらない。
どこまでも外れ続け、次第に人相が悪くなる。

明らかに空気が悪い、険悪なムード。
周りも同様である。

タバコの本数は増え、酔っぱらいは警備員に八つ当たり。
時間ギリギリに馬券を買いに行き、けたたましいベルと同時に締め切られる。

「間に合ってたやないか！」
「ベルの方が後や！」
「ホンマこれ、当たったらどないしてくれんねん！」

しかし、99％外れている現実…
事実レースが確定して、係員と揉める姿を見たことがない。

暴挙、エゴ、狂気…

己の私利私欲がドロ臭く入り混じる場所。
それが競馬場だった。

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現在のクリーンな競馬場

しかし今は違う！
とにかくキレイで、広い！

こんなにも素敵な１日をたった２００円で楽しめる場所は、なかなか他には見当たらない。
従来のオールドファンから、20代の若い人々、子ども連れの家族もいる。

こんなにも競馬場に足を運ぶ客層は変わってきたのである。

これらに加わっているのが、光り輝く女性たち、UMAJOである。
20～30代だろうか、女性だけ数名のグループで来ている人もいれば、中には女性1人で来ている人もいる。

黙々と競馬新聞とにらめっこしながら、パドックで馬の状態を確認。
そして途中、モニターでオッズを確認し、本馬場で返し馬を確認。

馬券はマークシートではなく、スマホで購入しているようだ。
そして馬が走る本馬場最前列に待ち構える。

首からぶら下げていたカメラを、お目当ての馬に向ける。
完璧だ。

レース発走までの一連の動きに、全くムダがない。
競馬場ならではの楽しみ方を熟知している。

間近で馬の状態をチェックし、変動するオッズによって資金配分を決定。
そして臨場感たっぷりのゴール前で観戦する。

こんな見た目の気品高く美しい女性が、競馬記者並みの動きで、馬券を購入する姿に、大変なギャップを受ける。
競馬に魅了されたUMAJOの姿である。

レースを観戦したり、馬券を買うばかりが楽しみではない。
馬を間近で見ることができ、触ることができる。

優しく鼻をなでようとすると、

「ぶふふんっ！」

と急に首を振られ、ビックリ！
触ると温かい。

そして、本当に大きい。
自分の目線よりも上に頭がある。

こんなにも近くで見て触ることができる。
そして、なでなでしていると、不思議とこちらが癒されてくる。

１２月になると、場内全体がクリスマス仕様に。
こちらはサンタの衣装を着たポニー♂８歳。

人間の膝上くらいの身長で、小さく可愛いポニーだが、もう初老が近づきつつある年齢。
女性や子どもが多く、顔を触れるまで順番待ちの行列ができるほど。

次々と顔をなでなでされてしまうため、次第に眼がトロンと・・・
今にも眠ってしまいそう。

今日は有馬記念当日。
きっと大イベントの朝は早かったのだろう。

ウマジョプロジェクト始動

2012年にJRAでは

「UMAJOプロジェクト」

が始動した。
年配男性だけでは競馬業界全体の先細りが懸念されるため、女性客獲得を目指した企画だった。

これまでJRAでは、女性客を増やしていくといった動きはほとんどなかった。
そこで悪いイメージを払拭するため、女性だけでも安心して過ごせる場所として

『UMAJO　SPOT』

を開設。
ドリンクチケットを受け取れば、何と無料で飲み放題！

とても興味が沸くが、そこは女性のみ許されたスポット。
当たり前だが、男性が利用することができない・・・

JRAのホームページには

『UMAJO　SPOT』

のサイトがあり、かなりの情報量とクリーンで明るい女性向けのページとして作られている。

『UMAJO　SPOT』

の利用方法やメニュー紹介が盛りだくさん。競馬場でしか食べることができないスイーツには、目を奪われてしまう。
初めて競馬場に行く時に困らないように、当日の服や靴の注意、日焼け止め、カメラ、荷物はシンプルにと、とても配慮された案内だ。

さらに、競馬騎手の紹介まである。
幼顔でかわいい、甘いマスク、ベテランの渋み、超イケメンなど・・・

騎手紹介を見ると馬券を騎手で買ってしまうし、騎手を応援したくなる。
意外な趣味が紹介されていたりして、競馬新聞では分からなかった妙な親しみを感じてしまうことがある。

初めてでも馬券を買ったり、競馬の楽しみ方を聞くことができる

『UMAJOコンシェルジュ』

も設置。
競馬初心者向けのセミナーやイベントが行われている。

①プチ講座

競走馬の一生、ウマってどんな動物？
など、馬にまつわる雑学を学ぶことができる。

②ステップアップセミナー

パドックの見方や勝ち馬投票券の買い方、レース観戦まで専門のコンシェルジュが案内。

③ＵＭＡＪＯバックヤードツアー

普段は見ることができない競馬場の裏側をツアー方式で見ることができる。

④ＵＭＡＪＯ抽選会

１２時までに来場すると、抽選で「ＵＭＡＪＯふせん」や「ＵＭＡＪＯノート」が当たる。
この他、女性フリーパスの日があって、無料で競馬場へ来場できる日もある。

ここまで女性を優遇させてどうなのかといった意見も、UMAJOプロジェクト企画時にはあった。
しかし実際に始動すると、

「若いコが増えると華やかでいい」
「馬券の買い方を聞かれてうれしかった」
「女性客が増えて、明るいさわやかなイメージの店が増えた」

と、概ね好印象。
2015年のデータだが、重賞

「札幌記念」

が行われた当日の来場者の約40％が女性だったというのだから驚きだ。

女性客が増えることで競馬の盛り上がり方に変化が見られる。
これまでは馬券を買って、いかにお金を増やすかといったギャンブルの対象といった面が強かった。

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オシャレなスポーツとしての競馬

しかし、今は違う。
純粋に競馬スポーツとして、老若男女それぞれの目線で捉えられている。

好きなスポーツ選手や、好きなチームを応援しているような感覚に近いのかもしれない。
そんな時に勝ち続けるスターホースや真っ白なアイドルホースが誕生すると、もうブームでは終わらない。

競馬はブラッドスポーツとも呼ばれる。
現役を引退し、今度はその子どもたちが数年後に競馬場に戻ってくる。

世代から世代へ語り継がれるストーリーは、ドラマチックである。
競馬の魅力を女性へ伝えようとしてきたJRAの改革は成功だったのだろう。

「若い女性は男性の趣味にも臆せず、挑戦する。行動力もパワーもあるから一度興味を持ったら、かなり熱狂的なファンになる。」

実際に競馬場で拝見する女性ファンはレース観戦も熱心で、撮影しているカメラのレベルが素人のそれではない。
とある女性ファンがアルバムを持ち歩いていたので拝見したことがある。

その馬が好き過ぎて引退後、牧場で余生を送っている北海道の牧場まで行ってきて撮影をしたのだと言う。
UMAJOは熱い。

今をときめく競馬場のヒロインは、彼女たちUMAJOである。

ご購読ありがとうございました。

今回のお話「UMAJO！今をときめく競馬場のヒロインたち」の続き記事へ↓

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